ご 挨 拶

石田 肇 Ishida Hajime
琉球大学大学院医学研究科人体解剖学講座 教授

 

山形大学医学部卒業後、すぐに解剖学教室に入り、一貫して、系統解剖学の講義、実習を担当してきました。

平成10年に、琉球大学に赴任してからは、1年次で医学概論Aを、2年次で系統解剖学実習を担当しています。

教科書を>Gray's Anatomy for Studentsに指定し、英語での試験を実施しています。

学生には厳しいですが、評判は上々です(?)。


4年次の約30名の学生には、基礎研究として臨床各科にご協力をいただいて、局所解剖学実習を実施しております。

これまでに参加した科は、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、一般外科、放射線科など多岐に亘ります。

整形外科の医師は、腰椎の生体力学的検討で学位を取得しています。

また、外科の院生は現在、気管支動脈の研究を続けています。


大学院では、修士課程で、人体構造実習として、見学実習を行っています。


また、保健学科学生、他の理学療法士、作業療法士などの養成機関の学生のために、見学実習を行い、

とくに、平成16年度文部科学省専修学校先進的教育研究開発事業として「コメディカル教育における人体解剖実習の

本格的導入に向けての養成校側の準備体制整備」に参加しました。


献体運動では、現在は琉球大学でいご会顧問として、献体の少なかった沖縄の状況を克服し、学部学生定員増にも

対応し、臨床各科の要望に応えることができるものと思います。

さらに、各界のご協力を受け、昨年は献体者の碑を建立しました。篤志解剖全国連合会常任理事、

日本篤志献体協会評議員として、全国の献体活動の推進に携わっています。

献体運動が評価されて、琉球大学でいご会は第3回篤志献体賞をいただくことができました。


医学教育全般では、平成15年度から3年間、20年度から4年間、医学科教務委員長や医学教育企画室長として、

学部学生教育への対応をしてきました。現在は医学科長として、医学教育全般に関わっています。


研 究は、形質人類学です。骨や歯の形態を基に、人々の系統や生活誌を復元してきました。

一つは、日本列島の人々の起源です。

北海道では、アイヌの系統ないし起源は世界的テーマです。

日本人より、アイヌの方が人類学の世界では有名なのです。

私は、アイヌや縄文時代の人々と北東アジアの人類集団との関わりを研究するべく、

日本学術振興会特定国派遣研究者として、旧ソ連を訪問し、

その後、重点領域研究、特定領域研究(分担)や基盤研究(代表)等を獲得し、研究を進めています。

最近では、北海道大学総合博物館の人骨資料を用いて、形態や骨からのミトコンドリアDNAをもとに、

北の人々からアイヌへの影響を解明しました(Sato et al., 2007; Komesu et al., 2008)。


また、琉球大学に赴任してからは、沖縄地域の古人骨の調査のみならず(Fukumine et al., 2006)、

沖縄や宮古・八重山地域の歯牙模型を採り、

琉球人の多様性の研究を進めています(Higa et al., 2003; Haneji et al., 2007: Toma et al., 2007)。

さらに、同じ個体の遺伝試料を用いて、人の移動、人口増減や男女の移動差を

北里大学との共同研究で、実証中です(Matsukusa et al., 2008, Koganebuchi et al., 2012)。

詳しくは、研究の項目をご覧ください。