国際サンゴ礁研究教育ハブ形成プロジェクト
地球環境変動の指標としてのサンゴ礁動態研究

プログラムの最終報告にあたって

 このウェッブサイトは特別経費による琉球大学理学部「国際サンゴ礁研究教育ハブ形成プロジェクト〜地球環境変動の指標としてのサンゴ礁動態研究」(2011年度〜2015年度)の活動実績をまとめたページである。プロジェクトのスタート時より、活動成果を明確に記録し広報することが重要であるとの認識より、初年度からの活動は年度ごとにまとめられている。フリーダウンロードが可能な生態写真集や書籍もあるので、本プログラムの活動に関心を持っていただいたならば、ぜひアクセスしていただきたい。

 本プロジェクトは地球規模の環境変動にさらされるサンゴ礁島嶼の自然を様々な角度から研究するとともに、課題を共有するアジア太平洋地域の研究・教育機関と連携するハブとして本学が機能できるネットワークの構築と発展を目的としている。このため、個々の研究課題の推進にとどまらず、国際共同研究や国際的な連携教育への取り組みをサポートしている。本学の研究者・学生が国際的な教育・研究に取り組む中で、国際水準での研究・教育スキルの向上を伴う研究者育成も進めている。さらに、ステークホルダーである一般市民や、時代を担う若い世代に向けたアウトリーチ活動として、公開講演会や一般書の出版を行ったことも本プロジェクト活動の特色である。蒔いた種が実り収穫を迎えるには、もうしばらく時間の必要な取り組みもあり、このサイトでカバーしきれていない成果も今後生まれてくるものと考えられる。
 以下に、主な取り組みを簡単に紹介する。

 国内外の若手研究者をポスドク研究員として採用し若手研究者養成と研究推進を行うとともに、理学部教員を対象に研究課題を公募して研究支援を行った。これらの取り組みにより、2016年2月の時点で170報の学術論文・総説が発表されている。なお、学術論文の大半は英文誌での発表であり、発表論文数は今後数年でさらに付加されるものと考えられる。

 アジア太平洋地域の研究者の招聘・同地域への教員・学生の派遣を助成し、国際共同研究の推進を行った。これに伴い、本学で国際的な研究セミナー・シンポジウムを開催した。さらに、海外の大学と連携した、野外実習・ワークショップの参加・開催の支援も行ってきた。大学院生を対象とした国際合同野外実習は台湾の2大学と本学が連携してスタートし、その後タイ及びインドネシアの各1大学も加わり4カ国5大学の国際教育プログラムに発展した。
 
 琉球列島の自然を研究してきた成果をわかりやすく一般に紹介することを目的に「
琉球列島の自然講座」を2015年3月にボーダーインク社から出版した。本書は沖縄県の研究機関や高校などに献本するとともに、書店でも販売された。2015年末の時点で本書は在庫僅少となったため、2016年に増刷されることとなった。また、本書の刊行とリンクして、2015年12月に県立博物館において公開シンポジウムを開催している。さらに、「琉球列島の自然講座」を底本として、英語版となる「Nature in the Ryukyu Archipelago」を発行した。こちらはpdf版を本学のweb siteよりフリーダウンロードが可能である。海外の研究者・学生はもちろん、沖縄を訪れる海外からの観光者にも利用されることも期待している。国際的な研究教育ハブとして本学が機能する上で、まず我々が何に興味を持ち、何を研究しているかを知ってもらうことは不可欠である。国際協力の起点として、本書が効果的な役割を果たせるだろう。

 本プロジェクトは直接運営を担った委員やポスドク研究を含め多数の理学部教員・学生の参加と協力によって推進されたものである。また、ハブ形成プロジェクト事務室のスタッフと理学部事務室の献身的なサポートに深く感謝したい。本プロジェクトで培われた実績を基盤に、国際的な共同研究・連携教育が発展されるよう今後も様々な活動に取り組んでゆきたい。

2016年3月
プロジェクトリーダー
広瀬 裕一