教育・研究分野

[ 大気海洋コース ]
[ 地球物理コース ]
[ 地質コース ]

[ 地質コース ]

1.どんなことが学べるか?
地層はどのようにして形成され、そこにはどのような過去の地球環境や地殻変動の記録が残っているのかについて学びます。地層や海底の形成過程や歴史(地層学、海洋地質学、テクトニクス)、自然放射線や地層中の化石から読み取れる地球環境の変動(放射線環境地学、海洋微古生物学、地史学)に関する授業科目があります。地層や化石について学ぶため、野外での実習や室内での実験が多いことも特徴です。


写真:地史学実習(野外地質巡検)の様子。久米島の第四紀石灰岩を観察して、かつてサンゴ礁がどのように形成されたのかを勉強している。

また、鉱物とその集合体である岩石について、主に化学的側面から学びます。実験・実習では、野外調査を含め、鉱物や岩石の鑑定方法や化学分析の方法を習得します。地殻を構成する多様な岩石の成因についても学びます。地球上の特定の場所で起こっているマグマの生成メカニズムと場所による違い、プレートテクトニクスや地殻変動、および地球深部および浅部プロセスが、どのように火山岩の組成に反映されているのかについて理解を深めます。


地球上での主要なマグマ生成の場所。

2.主な授業内容
「海洋地質学」および「海洋地質学実験」(担当:古川 雅英 教授)  
琉球列島(南西諸島)とその周辺の海底を主な対象として、地質の分布やその形成史について学びます。講義だけではなく、音波による海底探査データの解析や陸上での地層観察を通じて海洋地球科学の知識を深めます。


写真:沖縄本島北部の海岸沿いにみられる傾斜した地層

「偏光顕微鏡実習」および「岩石鉱物成因論」(担当:新城 竜一 教授)
偏光顕微鏡を使って岩石鉱物鑑定技術の習得を目指します。また、マグマと鉱物との元素分配、地球上の様々な場所で生じるマグマの化学組成の違いとその原因。マグマの地殻内でのプロセスなどについて学びます。


粟国島での野外実習の様子。火砕流堆積物(下部)と火山灰層(上部)が作る白い崖のスケールに圧倒される。

3.どんな研究をしているか?
主に海底の地層の形成過程、自然放射線・放射能に関する研究、微化石を用いた研究をしています。沖縄周辺の海底がどのようにして形成されたのかや、地表から出る自然放射線量と琉球列島の地質や黄砂との因果関係について調べています。  微化石を用いた研究では、顕微鏡で観察するくらい小さな化石(微化石)を調べることで、過去の海洋環境(海水準や水温)の変動やサンゴ礁の発達史を調べています。また、その微化石の古生態を明らかにするために、現在生きている微生物(有孔虫:星砂の仲間)の生態と海洋環境との関係についても調べています。


写真:星砂の電子顕微鏡写真

また、南九州から琉球弧にかけての広範囲にわたる岩石サンプルの採取を行い、火山岩の広域的な化学組成(微量元素濃度やSr, Nd, Pb同位体組成)に基づいて、マグマの生成に関与したマントル物質の化学的特徴、沈み込むプレートから供給される成分の性質を調べています。
背弧海盆の形成初期にある沖縄トラフの火山岩と琉球弧の火山岩との化学組成の比較から、トラフ形成に伴ってマントルがどのように改変したのかを調べています。

沖縄トラフでの無人潜水艇を使った海底調査の様子。

4.最近の研究紹介
海面上昇により水没の危機に瀕する南太平洋のツバルの島々は星砂などの有孔虫の殻でできています。この有孔虫がどこに棲んでいて、どういう環境が好きなのかを野外調査や飼育実験によって明らかにすることで、有孔虫の砂を増やして島を維持・再生していく方法を考えています。(藤田 和彦 教授)


写真:サンゴ礁の上に形成される星砂でできた低い島(ツバル・フナフチ環礁)

卒業論文のテーマ例
・固体飛跡検出器を用いたラドン・トロン濃度測定の最適化
・沖縄本島中部における空間γ線線量率の分布とその地質学的背景
・沖縄本島における地表面ラドン散逸に関する研究
・沖縄島周辺島棚域における大型有孔虫群集と環境因子との関係:堆積環境指標の提案
・フナフチ環礁フォンガファレ島周辺サンゴ礁における大型有孔虫の棲息分布とその規制要因
・海洋酸性化がサンゴ礁棲有孔虫の石灰化に及ぽす影響評価:飼育実験による検証
・火山岩からのホウ素(B)の効率的な分離を目指した実験
・N-TIMS法を用いたホウ素の同位体比分析
・火山岩中のホウ素(B)およびHFS元素(Nb, Ta, Zr, Hf)のICP-MSによる定量分析
・アフリカ北東部アデン湾拡大軸玄武岩のSr-Nd-Pb同位体比

教員紹介

古川 雅英(ふるかわ まさひで) 教授 専門:海洋地質学・放射線環境地学
琉球弧の島々や海底、そしてアジア諸国を主な研究対象として、地質・テクトニクスに関する調査や自然放射線の測定を行っています。最近は、鍾乳洞で生成した石筍(せきじゅん)を分析することにより、琉球弧の古環境についても調べています。


新城 竜一(しんじょう りゅういち) 教授 専門:岩石鉱物学・地球化学
琉球弧や周辺海洋底の火山岩の微量元素や同位体比の分析を行い、マグマの生成メカニズムや起源物質(マントル)の化学的特徴を明らかにし、それが島弧や海洋底の成り立ちとどのように関連しているのかを研究しています。


藤田 和彦(ふじた かずひこ) 教授 専門:海洋微古生物学
単細胞生物有孔虫(星砂の仲間)の生態や化石を研究しています。有孔虫の生態情報から過去の地球環境の変動(海水準変動)を復元したり、現在のサンゴ礁の環境問題(海面上昇、富栄養化、海洋酸性化の影響)について調べています。
研究室ホームページ:https://sites.google.com/site/reefforamslab/


千徳 明日香(せんとく あすか) 助教 専門:進化古生物学
多様な成長形態を有するサンゴ類の研究を行っています。地質調査、航海調査、潜水調査などのフィールド調査を行い、化石や生体標本を採集し、それらを分析や飼育観察することで骨格の形態形成様式、機能形態、環境への適応様式、進化過程の解明を目指しています。