第65回日本人類学会大会 大会長挨拶
琉球大学大学院医学研究科人体解剖学講座
教授 石田 肇
3月11日の東北地方太平洋沖地震で、被害を受けた、たくさんの方々、
研究者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
生活、研究環境などの一日も早い復興をお祈りいたします。
第65回日本人類学会を沖縄県で開催することになりました。
沖縄県での開催は、初めてであります。
琉球諸島は、日本列島で唯一の亜熱帯地域であり、
サンゴ礁研究など自然科学系の研究が進んでいます。
また、琉球列島の人々の人類学・遺伝学研究は、九学会連合の沖縄研究や港川人骨の研究を始め、
実に多く、人類学会にとって、この沖縄の地は大事なフィールドです。
現在も、新学術領域研究等の大型科学研究費を始め、たくさんの研究が進められています。
今回は、公開講演会として、人類学という「ヒト」をキーワードとした学問を介して、
サンゴ礁研究等の自然科学的研究と、琉球文化研究、
さらに医学研究を紹介したいと思っています。
つまり、沖縄独特の疾患を制御し、よき生活習慣を広め、独自の文化を発展させ次世代に伝える、
琉球人の適応戦略を紹介することを目的としています。
大会会場は、2007年に開館した、沖縄県立博物館・美術館です。場所は那覇市内にあり、
空港からモノレールで来ることができ、周りにはホテルや飲食店も多く、便利なところです。
展示も立派ですので、是非ご覧いただければと思います。夕方からは、屋外展示物の周りで、
ゆんたくの会を開催する予定です。
沖縄県は遠く、飛行機でお越しになる上、さらに、宿泊もされるということで、
皆様には時間と費用を掛けていただいており、誠に恐縮しております。それにもかかわらず、
多数のご参加をいただきますことに大変感謝しております。
学術集会でございますので、一般口演、シンポジウム、懇親会などでは、
活発なご議論をお願いし、皆様にとって有意義な場となりますことを、心より祈念しています。
第65回日本人類学会大会会長
石田 肇