■性別と年齢の判定人骨の性別と年齢の判定について述べます。 性別の判定は幼小児では、ほとんど不可能です。しかし、永久歯の大きさなどから、ある程度推測することができます。成人に達していて、頭蓋や寛骨が残存して、熟練した人類学者が肉眼で判定しても9割、また、いろいろな数値を用いて判別関数を作成しても、9割を越える程度の正解である。かならず、誤りがあります。これは、人間形態の男女差が形態のばらつきに比べ、小さいことによります。 年齢については、幼小児では、歯の萌出状態による年齢推定が、一番信頼度が高い。これも、1〜2歳程度の誤差があります。若年では、寛骨の恥骨結合面の形態、四肢骨の骨端の癒合程度から判定します。成人では、歯の咬耗状態、頭蓋縫合の癒合程度などをもとに判定しているが、およそ10歳単位の推定となります。注意すべきことは、歯の大きさにしろ、歯の咬耗にしろ、集団間で異なるし、時代によっても大きく違ってくるので、その人骨の出自を考えなければならないことです。 |
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