ホリデイ・トレッキング・クラブ

Column                

エギング

2021. 1. 8.

木本 翔

  「エギング」という釣りの技法をご存じでしょうか。エギングとは、「エギ」と呼ばれるエビを模した疑似餌を用いて、主にイカやタコを狙う釣りの1種です。
 エギは、主に魚を狙う疑似餌とは様々な部分で異なります。例えば、針に返しがついていないこと、「しゃくり」と呼ばれる技法を用いて、エビがぴょんぴょん海中をはねているような縦方向と横方向の動きでイカを誘うことなどです。針にかかったイカは、体内に取り込んだ水を漏斗と呼ばれる器官から水を勢いよく噴出し、後方に逃げようとするため、針に返しがついていなくとも釣りあげられるのです。また、この釣りではイカタコ以外は釣れず、もし他の魚種がかかったとしても、針に返しがついていないので逃げられることがほとんどです。そのため、イカ釣りはボウズの日(釣れないこと)が多く、さらに、シーズンが冬で環境的にもきついことから「修行」とよく呼ばれます。
 ここまで話を聞いていると、何が楽しくて釣りに行くのかと思う方もいるでしょう。釣りのイメージとしては、「釣れないと楽しくない」「暇な時間が多い」ではないでしょうか。確かにそれは否めません。しかし、だからこそ釣れた時の喜びは大きくなりますし、ボーッと海辺で過ごすのもなかなか悪くはありません。今追われているすべてのことから解放され、頭の中をリセットできるこの時間が私は好きです。また、釣れたてを食べられるのは釣り人の特権です。特に、エギングで釣れるアオリイカは「イカの王様」と呼ばれるほど美味で高価に取引されています。市場に出回ることも少なく、これが本当に美味で釣人を虜にしてしまうのです。
 我々イカ釣師は、雨の日も風の日も釣りに出かけます。しゃくり続けた者だけがイカと出会うことができる。だから今日も釣りに行く。まだ見ぬイカと出会うために。