2005年度卒業論文             戻る

JCOPE同化データによる沖縄本島南西海域における海況調査

今井淳

沖縄本島南西海域では水深200mから600mの海域が広がっている。
短波海洋レーダを使用した過去の研究(今津2004)で、この海域で流れの方向が変化することが調べられた。
本研究では、地球環境フロンティア研究センター(独立行政法人海洋研究開発機構)の同化データを使用して、沖縄本島南西海域でのより長期的な流れを調べる。


冬場の東シナ海における海水温と海上風の関係について

狩俣博良

東シナ海の黒潮上空で風が加速されることが指摘されている。本研究では、QuikSCATを利用して東シナ海における平均風速場と、海面水温の関係を調べた。その結果、黒潮が流れている高水温海域において、風が強まることが明らかになった。 また、メソ客観解析データではQuikSCATで捉えられた特徴を表現できなかった。


日本近海における波浪推算

栗山佳恵

この研究では、1999年の気象庁海洋ブイデータを使って、エネルギー平衡方程式から波浪スペクトルを求め、波高を推算し、実際の波高との比較をした。通常の波浪予測では、風は面的に考えられてうねりも考慮されているが、今回はエネルギー平衡方程式において、うねり・吹送距離を考慮しない、局所的な風のみを対象にした。はじめに、エネルギー平衡方程式、エネルギーソース関数、波浪スペクトル、波高を求める式、これらからどのように波高を推算するのかを説明する。そして、結果を時系列グラフと散布図で表し、相関の高かったもの2例、低かったものを2例挙げた。夏場では推算値と観測値の差は台風によるうねりであると考えられるなど、相関の高低だけでなく、なぜ時系列グラフの予測値と観測値の間の差が生じたのか、検証をおこなう。


ウィンドプロファイラによる台風通過時における風の解析

坂田文六

ウィンドプロファイラデータにより、台風時の鉛直方向の風を直接観測することができる。本研究では、ウィンドプロファイラのデータを用いて、台風の通過する時の観測点における鉛直方向の風について解析をする。そして、台風の通過前後における風の変化の特徴を調べる。このことにより、台風が消滅する直前において、台風の風は鉛直方向の一様性が低くなることがある。台風の勢力が弱まることにより、台風の中心軸が傾くことが原因であると考えられる。


不規則波のシミュレーションとスペクトル推定

中桐 泉

不規則な海洋波を記述する方法のひとつとして、スペクトル解析がある。特に、周波数と方向それぞれのエネルギーの分布を表したものが二次元スペクトルである。本研究では、一点の流速データを元に二次元スペクトルの推定ができるかどうか、周波数スペクトルと方向分布を比較することで、検証する。