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研究概要

Research with Water

クラスレートハイドレートに関わる研究を行っています。

クラスレートハイドレート

クラスレートハイドレート

クラスレートハイドレート(以下ハイドレートと略します)は水分子が水素結合によって籠(かご)状構造を作り、その内部を“ゲスト”分子が占有することによって生成する氷状の固体化合物です。

ゲストの種類は多岐にわたり、メタンやエタンといった炭化水素類からキセノンやアルゴンといった希ガス類、大気を構成する窒素や酸素、二酸化炭素などもゲストになることが知られています。ハイドレートの物性はゲストに依存して変わります。

ハイドレートに関わる研究ではゲストごとに変わる物性を測定したり、その生成・分解の現象を明らかにしたりすることが重要です。エネルギー資源としての利用から二酸化炭素分離回収などのSDGsの達成に寄与する技術、果ては惑星や衛星の成り立ちにまで関連します。ハイドレートは私たちにとって身近な水が作り出す不思議な物質です。

クラスレートハイドレートの歴史と私たちの研究

クラスレートハイドレートの歴史と私たちの研究

ハイドレートがはじめて人工的に作られたのは今から200年と少し前、1810年のことです。1930年代には石油・天然ガスパイプラインの閉塞の要因になっていることが明らかになりました。1960年代には日本周辺も含めた世界中の深海底や永久凍土下にメタンハイドレートが多量に存在することがわかり、エネルギー資源として開発が続けられています。それらの研究で明らかになったハイドレートの物性をもとに、ハイドレートを積極的に生成・分解して産業技術に使用する試みも行われてきました。

現在、世界的にはパイプラインの閉塞防止、メタンハイドレート資源開発、ハイドレート利用技術の3本柱で研究開発が行われています。

私たちの研究室では、ハイドレートを積極的に利用する技術に着目して、最近は海水淡水化/製塩技術やリチウム濃縮技術、二酸化炭素分離回収技術に焦点をあてて研究を進めています。

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研究背景

現在行っている研究