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研究手法

Experiments
with Unique Technique

研究を進めるための実験手法について紹介します。

相平衡条件測定

相平衡条件測定

相平衡条件はハイドレートが生成・分解する条件に対応します。あらゆるハイドレート関連技術において基盤となるデータです。相平衡条件はゲストの種類や海水中の塩分などの影響で変化するため、それぞれの技術に対応した相平衡条件を測定する必要があります。

私たちの研究室では、高い圧力に耐えることのできる圧力容器の中でハイドレートを生成・分解し、時間をかけて平衡化させる実験を行っています。温度や圧力を測定して平衡条件を決定します。

結晶生成実験

結晶生成実験

ハイドレートは固体の結晶です。さまざまな技術でハイドレートを利用する際に、反応容器のなかでどのようにハイドレートが生成していて、それが周囲にある水やゲストとどのように影響しあっているかを知ることが、ハイドレート生成反応を促進したり反応容器を設計したりするために有効です。

私たちは、ガラス製の圧力容器や化学実験でも使われるガラス器具を用いた内部が観察可能な実験系でハイドレートを生成して、できた結晶を観察する実験を行っています。

サンプル生成

サンプル生成

結晶は分子や原子が規則正しく並んでできた固体のことです。私たちの目では分子・原子レベルの動きを観測することはできませんので、結晶の構造を明らかにするためには特別な解析が役立ちます。そうした解析を行うためには純度の高いハイドレートサンプルを生成することが必要です。

私たちは、圧力容器の使用により高純度のサンプルを作成して、他機関との連携で分子・原子レベルの解析を行っています。同じようにして生成したハイドレートはオープンキャンパスや研究室見学の際にご覧いただくこともできます。

界面張力測定

界面張力測定

ハイドレートの生成は水とゲストの接するところ、気液界面で起こります。生成促進のためにはしばしば液体の水の中にゲストの気泡を作る方法や、ゲストの気体中に水をミスト状に噴霧する方法がとられます。気泡や液滴の形状を決めるのは表面張力、より厳密にいえば界面張力です。

ハイドレート生成条件に近い条件で水とゲストの気液界面の界面張力を測定する実験を行っています。実験は内部が観察可能な圧力容器の中でゲストの気体中に液滴を形成して、それを撮影した画像を解析することで進めます。

イオンクロマトグラフ・ガスクロマトグラフ

イオンクロマトグラフ・ガスクロマトグラフ

海水中には塩分としてさまざまな成分が溶解しています。そのため、海水淡水化/製塩技術の確立に向けてはハイドレートの生成により海水中の各成分の濃度がどのように変化するかを知ることが重要です。一方で、二酸化炭素分離技術や天然ガス輸送・貯蔵技術、空気ハイドレートの解析の際には対象となるゲストが混合ガスになっているため、気体の組成解析が不可欠です。

私たちの研究室では琉球大学の研究基盤統括センターが所有するイオンクロマトグラフ、ガスクロマトグラフという装置を使って液体や気体の組成を測定しています。

衝突噴流熱伝達実験

衝突噴流熱伝達実験

ミストジェットの伝熱効率を調査するための実験では通電加熱した熱板に熱電対という温度計を取り付けた装置を使用します。熱板にミストジェットをあてた際にどの程度冷却されるかを熱電対によって測定された温度から明らかにします。ミストの蒸発には周囲の湿度が大きく影響します。そのため、装置には湿度を調整する機構や湿度を測定する計測器も備え付けられています。これらにより、ミストジェットを実際に使用する環境を模擬した状態で実験を行うことが可能です。

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