研究内容

研究内容

当講座では、専ら疫学的アプローチ(一般人集団から情報を収集して解析すること)によって以下に挙げるテーマを中心とする研究に取り組み、科学的根拠のある健康関連情報の発信に努めています。日本、特に沖縄県の公衆衛生上の課題に注目し、公衆衛生の向上に貢献する研究と実践の両面で、しかも関連する学内外の組織と連携しながら活動しています。このような私どもの思いに共感し、一緒に活動していただける自治体、事業所、学校などの関係者、公衆衛生学・疫学を深く学びたい大学院進学希望者はぜひお気軽に当講座をお訪ねください。教室員一同、ご来訪をお待ちしています。


主たる研究テーマ
・ 一般人での生活習慣・バイオマーカーと非感染性疾患(特に高血圧、糖・脂質代謝異常を中心とする循環器系領域)
非感染性疾患の危険因子・予測因子を探り、予防法を確立するため、一般人集団を対象に生活習慣・バイオマーカーと疾患の関連をマクロレベルで検証する研究(疫学研究)を推進しています。 非感染性疾患の中でも循環器系領域(虚血性心疾患、脳卒中、それらの危険因子である高血圧、糖・脂質代謝異常)を中心に取り組んでいます。また、複数の疾患の相互関連、包括的予防の重要性などを鑑みて、他の領域にも関心を持っています。このような研究は、疾病予防につながる生活習慣の推奨、病態の解明などに寄与します。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35008088/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34588362/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38960632/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39759490/


・ 公衆衛生の立場での生活習慣病対策
公衆衛生は人集団と環境への組織的アプローチによって疾病予防を図るものです。 循環器系疾患の予防に関して、臨床が担う個人を対象にした予防はハイリスクアプローチと称されるのに対し、公衆衛生が担う集団全体への働きかけはポピュレーションアプローチと称されています。 また、ハイリスク者を見つけて臨床(ハイリスクアプローチ)へ橋渡しすることや臨床の体制整備なども公衆衛生の重要な役割です。 特定健康診査・特定保健指導をはじめとする地域・職域での生活習慣病対策を評価し、効果的な対策の確立につながる疫学研究を推し進めます。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37188753/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39516367/

(https://www.u-ryukyu.ac.jp/news/62625/)

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40302078/


・ 若者のライフデザイン
若者がライフデザイン(就職、進学、結婚、妊娠・出産など)に関して選択肢を増やして、他者とともに、自分らしく幸せに生きる社会の実現をめざして取り組んでいる社会実装的研究です。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」における「こころとカラダのライフデザイン共創拠点」北海道大学の主導のもと、横浜市立大学と琉球大学が連携拠点として参画し、研究の一翼を担っています。


・ 臨床研究への疫学専門家としての協力
疫学は人を対象とする研究の基礎をなす学問であり、医療現場で患者を対象とする臨床研究にも通じるものです。 疫学専門家として培った人対象研究のノウハウを活かし、臨床医が主導する患者集団を対象とする臨床研究(主に観察型である臨床疫学研究)のデザイン設計、質問票推敲、調査の諸作業、データ解析などに協力することが可能です。その協力を通じて、人対象研究のノウハウの研鑽や臨床の知見と考え方を深め、当講座が目指す「臨床を意識した疫学研究」に活かしています。学内外の臨床家が推進する多数の臨床疫学研究に参画しています。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32718834/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36818518/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37739810/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39475688/