琉球大学では3年生から研究室へ配属されます。昆虫学教室の3年生はゼミへ参加し、教科書(英語)の輪読を行っています。3年生のうちに卒業研究のテーマを決めて、予備実験を開始しましょう。最初から教官が積極的にテーマを与えることはありません。
こんな研究をしたい!とか、この虫の調査をしたい!というのがあれば是非相談して下さい。科学的に意義のある研究でなければ、卒論としては不十分ですので、教官とテーマを練り上げましょう。
頑張りたいけど、特にアレやりたいとか、独自のアイディアを持っているわけではないという人は、教官の研究ネタを卒論研究にするのも有意義です。教官が積極的にテーマを与えることはないと書きましたが、実は、やりがいのあるテーマがたくさん準備されています。教官を捕まえて、自分にあったテーマを見つけて下さい。
野外調査やサンプルの採集は時期を逃すと難しくなるので注意が必要です。卒論研究のため、データが取れるのはせいぜい4年生の12月までです。遅くとも、3年生の12月から実験を開始しないと年間を通した調査は出来なくなり、テーマの選択肢が少なくなります。
卒業生は沖縄県職員として害虫防除の仕事をしたり、環境アセスメントの仕事に就いている人が多いです。また、卒業生には沖縄を代表する写真家の湊和雄さんや、岡山大学の宮竹貴久教授がいます。
進学を希望する学生も多く、専門分野をさらに深めるため他大学の大学院に進学する人もいます。反対に、他の大学を卒業して、大学院から本研究室に移ってくる人もいます。
研究と就職活動のどちらも手を抜いてはいけません。授業の単位を残さないよ頑張って下さい。3年生の夏から就職活動を開始する人が多いと思いますが、業種によっては4年生になると同時に内定したり、卒業間際に採用決定が出たりと、色々です。
ゼミ以外は特に決まった拘束時間はないです。どんどん就職活動してください。説明会や面接のためなら、ゼミを休んでも大丈夫です。卒業研究は時間割が決まっていないだけに、自己管理が大変です。卒論にかける労力は十人十色ですが、丸一年かけて頑張ったと思えるぐらいの成果は残しましょう。
研究対象が生き物であることは決して忘れないように。相手が生き物なだけに観察や世話をすればするほど面白くなります。反対に、かまってやらないと、死んでしまったり、コンディションが不安定になり実験が失敗します。
放浪種(tramp species):人間活動、物流などに便乗して、分布を広げた種
リター(litter):半分腐った落ち葉や小枝、土の上の表層部分
キャノピー(canopy):樹冠、木の上のほう
ブルード(brood):幼虫とか蛹、巣の中にいるやつ
メジャー:オオズアリなどでは、大型(major)ワーカーと、小型(miner)ワーカーがいる。
ゲメもしくはゲマ(gemmae):翅芽痕(しがこん)トゲオオハリアリが持つ翅の痕跡器官
ガンマゲイト(gammergate):機能的女王、産卵を独占しているやつ
レピ: 蝶とか蛾をひっくるめて、鱗翅目 (Lepidoptera)
ディア: トゲオオハリアリ(Diacamma sp.)、沖縄では一番大きい黒いアリ
アノプロ: アシナガキアリ(Anoplolepis gracilipes)、やや大きめで、黄色くて足の長いアリ
トランプ:放浪種
Holldobler: ほるどぶらー by CH (正: へるどぶらー)
凡例: ぼんれい by MS (正: はんれい)
体サイズ: からださいず by SO (正: たいさいず)
人工巣: じんこうす by 多数 (正: じんこうそう)
修了生・・・
農林水産省 植物防疫所 1名
北海道職員(農業) 1名
沖縄県職員(農業) 1名
卒業生・・・
神奈川県職員(農業) 1名
民間企業 1名
NPO法人等 1名
大学院進学(琉球大学) 2名