大瀧研究室 | 福島サンプルDNA解析

福島サンプルDNA解析プロジェクト

 これまで、我々の研究室では、ヤマトシジミの形態異常および死亡を指標として福島原発事故の研究してきました。
  しかし、これだけでは、放射線によって分子レベルで影響があったことが明確ではありません。 そこで、このほど一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストの助成を受けて、過去のヤマトシジミサンプルのDNA配列を調べるプロジェクトを開始しました。 サンプルからのDNAをサンガー法で1塩基ずつ解析することで、塩基レベルでの変異を検出することが目的です。 これによって福島原発事故の放射線によるDNAの傷を捉えることができるかもしれません。
 
  本プロジェクトは一般社団法人アクトビヨンドトラストによって支援されています。

結果報告(速報)

 本研究では、2011年から2013年にかけて福島およびその周辺地域から採集されたヤマトシジミ202個体についてミトコンドリア遺伝子COIの塩基配列について解析を行いました。
  その結果、2012年春に広野にて採集された個体から1塩基置換が発見されました。この1塩基置換はアミノ酸を変化させる変異でした。
  我々のこれまでの研究から、産地を問わず、沖縄を含む日本各地のヤマトシジミのCOI遺伝子には変異が検出されていないことから、今回検出された変異は放射線によるDNA損傷の修復ミスが原因で起こった可能性が高いと思われます。しかしながら、今回の結果だけでは放射線の影響であることを断定することはできません。
  今後、サンプル数を増やし、DNAの変異と線量との相関を検討するなど、さらなる努力が必要です。
  本研究へのご支援、ありがとうございました。
  今後とも本研究を継続していきます。