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入局後の進路
A.専門医研修の教育ポリシー:
琉球大学を中心とした沖縄県内の研修施設で、所定の研修年度を修了し専門医試験に合格し、皮膚科専門医として信頼され、安全で標準的な医療を提供できる知識と技術を獲得できることを、皮膚科医の一生としての初期の目標とします。
医師としての全般的な基本能力を基盤に,皮膚疾患の高度な専門的知識・治療技能を修得し、関連領域に関する広い視野をもって診療内容を高めます。
皮膚科診療や皮膚病研究に積極的に携わり、医の倫理の確立に努め、医療情報の開示など社会的要望にも、積極的に答えられる存在を目標とします。
B.入局後の専門医取得へ向けてのプログラム:
琉球大学医学部皮膚科を研修基幹施設として、沖縄赤十字病院・那覇市立病院・豊見城中央病院・ハートライフ病院・沖縄県南部医療センターを関連病院として加えた研修プログラムに参加します。
各個人の資質や興味、方向性に鑑み、各研修施設の特徴を生かした複数の研修コースを設定しています。
C.琉球大学皮膚科の特徴:
沖縄県内の皮膚疾患全般の最終診断、治療を行っており、専門外来として、皮膚膠原病・アレルギー外来と、皮膚腫瘍に対処する皮膚外科の2つのグループを中心として、乾癬外来・皮膚腫瘍外来・皮膚感染症外来・アレルギー外来・白斑外来などを設けており、外来患者数は1日平均150名、年間外来手術件数は400症例、年間入院手術件数は約250症例を越え、豊富な経験を積むことが可能です。
研究の面では、いくつかのグループを作り指導医との連携を強め、多様な研究結果を創出していまする。
D.募集定員:年間7人まで。
E.研修応募者の選考方法:
書類審査,小論文および面接により決定(琉球大学医学部皮膚科のホームページ等で公表)。応募方法については、琉球大学皮膚科医局へ問い合わせ、履歴書と併せて提出すること。
F.研修コース
最短で5年間の皮膚科後期研修により、専門医試験の受験資格を得ることが可能です。
コース |
研修 |
研修 |
研修 |
研修 |
研修 |
a |
基幹 |
基幹 |
連携 |
連携 |
基幹 |
b |
基幹 |
基幹 |
連携 |
連携 |
準連携 |
c |
連携 |
連携 |
基幹 |
基幹 |
準連携 |
d |
基幹 |
連携 |
連携 |
準連携 |
基幹 |
e |
基幹 |
連携 |
連携 |
大学院 |
大学院 |
f |
連携 |
大学院 |
大学院 |
大学院 |
大学院 |
a:琉球大学を中心に研修する基本的なコース。最終年次に大学で後輩の指導を行うことにより自らの不足している部分を発見しさらに高めます。連携施設は原則として1年ごとで異動しますが、2年間同一施設で研修することもあります。特に皮膚外科を専攻したい人は、医局員からみた当医局の特徴の皮膚外科系の進路を考えている人へを参照してください。
b:ただちに皮膚科専門医として活躍できるように連携施設にて臨床医としての研修に重点をおいたコース。
c:研修連携施設から研修を開始するコース。
d:研修4年目に一人医長として研修準連携施設で研修し、地域医療の経験を積み、翌年大学にて研修を修了するコース。
e:研修後半に、博士号取得のための研究を開始するプログラム。博士号取得の基本的コース。
f:専門医取得と博士号取得を同時に目指すハイパーコース。多大な努力を5年間持続する必要がある。特に4年目,5年目は濃密な臨床研修を必要とする。カリキュラムを修了できない場合は6年目も大学で研修することを前提とする。
現在行っている研究・業績:
【主要研究概要】
沖縄県・琉球諸島に多い皮膚病の病態や疫学的な解明と、角化症・皮膚老化に関する探求を目標としています。
【概要】
沖縄県に根差した皮膚病の診療と治療、研究をモットーとしています。皮膚病の診療分野では全国水準の治療を、沖縄県の地元で受けることができるように卒後教育を行っています。現在、皮膚科学会専門医やアレルギー学会専門医、医真菌専門医を多く輩出し、地域医療へ広く貢献しています。
研究分野では、実際の皮膚病の診療現場から生じた問題点の解決を目標にしています。特に沖縄県・琉球諸島に多い皮膚病にスポットをあてて研究しています。また角化症の病態解明、創薬、新規診断法の開発、皮膚老化への挑戦など、一般皮膚科医学への研究も続けております。沖縄県に多くみられる遺伝性皮膚症の病態解析のため遺伝子ゲノム解析と、実臨床に使用しやすいタンパク質レベルの検出系の確立や治療標的の同定を行っています。
【大学院での研究指導内容】
基礎研究
・加齢による皮膚の内因性老化の解析と、その可逆性への挑戦
- ・ダリエー病など先天性角化症の治療薬へ向けての創薬
- ・毛髪の観察による遺伝性角化症の新規診断法の確立
- ・ヒトの創傷治癒が他の哺乳動物よりも圧倒的に劣る進化論的理由と生化学的機序の探索
公衆衛生上の取り組み
- ・宮古島、粟国島、久米島、古宇利島、与那国島、伊江島、沖縄本島と、各諸島に特有の皮膚病への対策と皮膚癌検診の長期的な取り組み
- ・アルコール多飲による皮膚障害の発症機序の解明
臨床研究
- ・沖縄県に多発する皮膚型成人T細胞リンパ腫(ATL)と菌状息肉症の、病理組織学的診断法の確立
- ・遺伝性皮膚疾患診断のための原因遺伝子のゲノム解析
・隆起性皮膚繊維肉腫(DFSP)の新規変異遺伝子の検出と、病理組織学的診断法の確立
・血管肉腫の原因究明のための腫瘍組織内での外来遺伝子・変異遺伝子の探索
- ・沖縄県のヒトヘルペスウイルス(HHV-8)感染率の調査とカポジ肉腫発症に関する検討