患者さんへ

ご挨拶

 琉球大学皮膚科の教授の高橋健造と申します。琉球大学医学部は昭和56年に創立と、国立大学としては最も新しい医学部であり、開設時の初代教授である 名嘉真 武男先生から、野中 薫雄先生、上里 博先生と、私が4代目の主任であります。
琉球大学付属病院の皮膚科には、沖縄本島、宮古島、久米島、石垣島などの琉球諸島や近隣の離島はもとより、沖縄県外、あるいは在住する異邦人の方達など、広い地域や多様な人種の患者さんが日々受診されています。日本の最も南西端での東南アジアに位置する亜熱帯の皮膚科教室として、他の大学医学部には比類のない特徴を有します。現在の皮膚科教室は、主に皮膚腫瘍を対象とする皮膚外科グループと、膠原病・アレルギーグループがうまく融合し機能しており、県外の大学病院と比べても、より高度で果敢で責任を持った治療を行えていると自負いたします。沖縄県は独立した海洋県であり、他府県のように専門領域を細分化し、お互いに手分けして治療を行うことは、たとえ現在の高度の発達し専門領域が細分化されつつある医療現場においても、必ずしも患者さんの利益にはなりません。この琉球大学のように地方色の強い大学病院の皮膚科学教室が達成すべき臨床上の目標として、次代の人材の育成、地域の最終基幹病院としての使命、さらには高度先進医療施設としてのチャレンジなどが挙げられます。当科は世界や日本の最新の医学・皮膚科学の情報を取り入れつつ、沖縄県・琉球諸島全域の皮膚病の最終拠点としての自負を持って、当地で可能な限りの医療を提供しております。
 皮膚科学教室に所属する皮膚科医全員で、琉球大学はもとより、琉球諸島の各島々や与論島などの近隣医療圏への毎週の出張診療もこなしております。これら関連病院より紹介を受けた患者さんを大学病院で治療にあたり、また自宅のある地域や各諸島へ安心して帰っていただくよう、中枢病院としての機能の維持に努めております。そのため、受診される全ての初診患者さんには、紹介状を持っての受診を必須としております。また大学病院での診療で病状が落ちつき、原因などが明らかとなった患者さんに関しましては、いつまでも大学病院での診療に来ていただくのではなく、通院に便利な信頼のおける皮膚科専門医のいる病院や皮膚科クリニックへ、逆紹介の形で積極的に返って頂いております。限りある人的資源や時間を、高度で急を要する医療を必要とする皮膚病患者さんへ、最大限に割り当てるためにも、ご理解の程、お願い申し上げます。

 

琉球大学附属病院 皮膚科  高橋健造

 

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