患者さんへ
患者さんへ
- 上里 博
- 琉球大学皮膚科学教室 教授
- 資格等:
- 医学博士、皮膚科専門医
- 略 歴:
- 1978年 群馬大学医学部 入局
1982年 琉球大学皮膚科 助手
1987年 琉球大学皮膚科 講師
2000年 琉球大学皮膚科 助教授
2000年 University of Calfornia. San Francisco (CVI resarch assistant) - 所属学会:
- 日本皮膚科学会(代議員)、日本皮膚科学会西部支部(地方委員)、日本熱帯医学会(理事、評議委員)、日本皮膚悪性腫瘍学会、日本臨床皮膚科学会、日本研究皮膚科学会、日本血液学会、日本褥瘡学会
琉球大学は、日本の大学のなかで最も南に位置し、亜熱帯地方にある特色ある大学です。そのなかにあって琉球大学医学部皮膚科学教室は、皮膚に病変が現れるすべての疾患を対象として、診療や研究、そして医学教育を担当しています。
対象とする疾患
私どもが対象とする疾患は、感染症、膠原病、腫瘍、アレルギー性炎症性疾患、遺伝病、など様々な多岐にわたる領域の疾患であり、その診断、治療を行っております。現在の皮膚科が有するベッド数は22床であり、患者さんは沖縄本島はもちろん、南は宮古、八重山諸島、久米島から、北は与論島まで沖縄県内にとどまらず沖縄県に隣接する鹿児島行政区域まで、非常に幅広い地域の患者さんを受け入れています。琉球大学医学部附属病院皮膚科の外来患者数は年間約9,000名、1日平均約120名以上が診察の来られております。入院患者数は年間約3,300名で、ほとんどが沖縄県内外からの紹介患者です。
外来診療
皮膚科の外来診療では、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、尋常性乾癬、膠原病、皮膚悪性腫瘍などで、それぞれを専門とする医師が診療に当たっています。特に、膠原病、乾癬を含む炎症性角化症、漢方専門外来、皮膚悪性腫瘍の専門外来を設けております。アレルギー検査では、アレルギーの原因検索のためのプリックテスト、スクラッチテストやパッチテストを積極的に行っております。診断が困難な紹介症例では皮膚生検を含め遺伝子検査なども行っております。
外来で行える手術では、脂漏性角化症、ほくろなどの良性腫瘍や局所麻酔下で行える疾患を扱っています。
入院診療
全身症状を伴う蕁麻疹などは入院検査も行っており、原因特定や生活面でのケアを含めて全人的な対応を心がけています。
発熱、関節痛や全身症状を伴う皮膚疾患、瘙痒でquality of lifeを損なう皮膚炎群、成人T細胞性白血病/リンパ腫などの全身化学療法の必要な内科的悪性腫瘍、黒色腫、有棘細胞癌など手術療法を必要とする様々な皮膚癌、火傷などの入院治療の患者さんを積極的に受け入れ、治療を行っています。
皮膚科の研究
研究に関しては、患者さんの診療、治療に関連した研究テーマを中心に沖縄県に特有な成人T細胞性白血病やカポジ肉腫、真菌症、皮膚細菌感染症の分子生物学的手法を用いた研究に取り組んでいます。また、全国各地から送られた「顧みられない病気Neglected Tropical disease (NTD)」のひとつのリーシュマニア症疑いの皮膚検体についての確定診断や治療の助言等を行っています。基礎的研究は、ダリエ病など遺伝子病の治療薬の探索も行っています。
医学生のための教育
卒前教育では、4年生を対象に皮膚科学全般の講義とテュートリアル教育を行い、5・6年生ではグループ別の臨床実習を担当し、教室員全員で行っています。卒後教育は、1年間の初期臨床研修後と後期臨床研修制度として皮膚科教室員全体で皮膚疾患診断、治療の手技を幅広く研修が行えるような体制をとっています。当皮膚科教室員になった場合5年間の研修後皮膚科専門医のために必要な単位を取得した後、皮膚科専門医試験をパスし、はれて皮膚科専門医として登録されます。当教室は本学出身者以外にも広く門戸を開放しており、全国から皮膚科医を受け入れています。